刑事裁判を伴う交通事故を起こしてしまったら

車1

酒酔い運転で人身事故を起こして逮捕されると、起訴されて刑事裁判に回される可能性が高いといえます。そして、加害者側は弁護士を必要とすることになります。弁護士の選任は、どのように行えばよいのでしょうか。また、費用はどうなっているのでしょうか。

弁護士を選ぶ際の注意点と、国選弁護士という制度についても、あわせて解説します。

捜査段階から弁護士を付けることができる

弁護士を、いつどの段階で選任するかは、加害者にとって大切なことです。特に、加害運転者が警察署に身柄を拘束されている場合は、精神的にも肉体的にも参っていて、取調官の激しい追及から一刻も早く解放されたい心理が働いて、不本意ながらも取調官に迎合してしまう危険があります。

弁護士が付くと、立会人なしで弁護士と面会ができ、心理的圧迫や法律的無知に対する不安が軽減され、黙秘権のことや手続き上の諸権利についても知ることができます。また、弁護士に依頼することで、加害者のみならず、その家族ともども無駄な神経を擦り減らすことがなくなるのです。

証拠の収集、関係者への事情聴取、あるいは被害者との示談交渉やその他の指示なども、弁護士から与えられます。また交通事故の内容によっては、検察官と交渉などを行い、身柄の早期釈放や不起訴処分決定が得られることもあります。

処分決定の前に、有益な証拠、示談書、領収書、嘆願書などを、弁護士が取りまとめて、早く検察官に提出することによって、処分決定に重要な影響を与えるからです。さらに、不当な身柄拘束がなされた場合には、その処分を争って、身柄釈放を求めることができます。

このように、起訴前の弁護活動には、期待できるものが多くあるため、弁護士の選任はできるだけ早い時期が望ましいのです。

弁護士と会話するときの心構え

なお、弁護士と話すときは、相手を信頼して真実を述べ、けっして隠し事をしないことです。加害者のなかには、自分に都合が悪くなることを弁護士に話そうとしない人がいます。これでは、弁護士も十分な活動ができません。

また、そのために不利な判決を招いてしまうこともあります。弁護士は、依頼者のために活動しているということを念頭に置いて、事故に関することは、隠さずにすべて話しましょう。

着手金と成功報酬について

交通事故4

弁護費用については、多くの場合、次の2つに分けられます。1つは弁護を依頼するときに支払う着手金で、もう1つは事件終了の際に支払う成功報酬です。以前は、その額の基準として、日本弁護士連合会の報酬基準規程がありましたが、現在は廃止され各弁護士が決めることになっているので、依頼の際にしっかり確認しましょう。

交通事故の弁護活動に関する着手金は、捜査段階か起訴後かなどにもよりますが、おおむね20万円から50万円前後のところが多いようです。

もちろん、事故の難易・軽重などによっても異なりますが、ほとんどの場合はこのくらいの費用で、受任する弁護士を見つけることが可能になります。

成功報酬とは、身柄解放に成功したときや、裁判の結果、無罪・執行猶予・求刑よりも軽い刑の判決を得たときなどに、その内容に応じて支払うものです。

弁護士を委任する際に、どのような場合にどのような成功報酬になるかを、明確に取り決めておきましょう。

成功報酬の金額も、事故の難易・軽量、成功の程度などによって異なります。たとえば、長年の苦しい闘いを要して、無罪を獲得したような場合には、額が高くなることは当然です。

なお、弁護士に関する人脈がなく、選任の段階で困っているときは、地元の弁護士会の窓口に申し出ると、私選弁護人の候補者を紹介してもらえる制度があります。

国選弁護士について

刑事裁判では、被告人に弁護士を付けることになっています。被告人が金銭的に余裕がなく、弁護士費用を出せないなどの理由により、私選の弁護士がいなければ、裁判所のほうから国選弁護士をつけなければなりません。また、捜査段階であっても「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の定める犯罪の疑いで勾留されていて、私選の弁護士がいなければ、国選弁護士が付くことになります。

この国選弁護士は、日本司法支援センター(法テラス)の国選弁護人名簿に登録された弁護士から選任されます。事件を受注した弁護士には、国の費用から報酬が支給されます。ただし、被告人が有罪になると、国は弁護士に支給した金額を被告人から取り立てることもあります。

国選と私選の違いは、選任の方法が異なるだけです。基本的に弁護士としての資格や活動能力に差異はありませんが、国選弁護士が選任された後でも、私選弁護士に依頼することができます。この場合には、国選弁護士は解任となります。

面会や差し入れについて

逮捕勾留されている人は、警察の留置房や拘置所に留置されます。

交通事故を起こした人の多くは、留置されること自体初めての経験で、心細く不安になるものです。また家族としては、それ以上に、日常生活のこと、仕事のこと、弁護士のことなど、考えなければならないことが多くあって、不安なものです。

そのため、面会をして相互に励まし合うことが大事です。特殊な場合を除き、警務課の担当者に申し出ることで、本人との面会や差し入れが許可されます。取り調べ中と逮捕直後を除いては、比較的自由に家族の面会を許してもらえます。

面会には必ず警察官が立ち合い、事件そのものについての話をすると注意されます。許可される最初の面会時間は、10分くらいですが、捜査が進むにつれて許可時間が少しずつ長くなっていきます。最初のうちは、面会の前に話すべき要点をメモにまとめておいて、短時間で要領よく済ませる工夫が必要です。

面会の際には、下着や書籍などを差し入れることも可能です。また、現金などを差し入れて、本人が物品を購入することが認められることもあります。もっとも、自傷の恐れのある物品(ひものついたもの等)の差し入れが認められなかったり、差し入れ可能な個数に制限がある場合もあるので、注意しましょう。

さらに、本人に持病があったり、日常薬を常用していた場合でも、房内での服用や差し入れは許されていません。警察医の診断に基づく処方せんによる薬品以外の服用は許されていないのです。弁護士の面会に関しては、秘密交通権という権利が認められており、係官の立会いなく密室で被疑者と面会できます。

関連資料…交通事故弁護士評判 … 弁護士法人アディーレ法律事務所
Top